一年前

昨年の今頃は嵐の真っ只中にいた。母の死、長くお付き合いしたパートナーとの別れ、お引越しの準備。体調不良の身体を引きずりながら新居を決め契約し荷物をまとめた。

何が起きたのか分からなかったが、ただ母が導いてくれている事だけは分かった。別れなさい、今のパートナーと別れなさい。母がそう言っている、願っているのだと思った。

別居しよう。一年後、お互いに気持ちがあったら元に戻ろう。

パートナーはそう言った。私は頷いたが、元に戻ることはないだろうとそこだけは冷静な自分がいた。母が亡くなり一番辛い時期に放り出しておいて、落ち着いた頃に元に戻ろう。なんて虫のいい話だろう。長く一緒にいた分、情もあったが共依存にだけはなってはいけない。きちんと離れよう。苦しみもがきながらも覚悟を決めていた。